中小企業診断士試験の日々を個人的に振り返る。

私、ヒカリは令和4年度2次試験において残念ながら不合格となりました。

 

本来であれば、「普通のサラリーマンがこうやって合格した!」、「凡人が国家資格で人生逆転」、「俺の資格必勝法」、「合格者が勧める生産性(←トラウマ)の高い勉強法はこれだ!」・・・みたいな記事を書きたかったです。

モチベーションの低下が著しい今、これまでの勉強や診断士を目指した過程を赤裸々にかつ詳細に振り返ることで、どこかに「やる気」が落ちていないか探していきたいと思いブログを立ち上げることとしました。

そのため、小説のような美しい文脈、ノウハウ本のような為になる要約、合格者のブログのようなキラキラとした輝かしい戦略はありません。記録要素の強いムダに長い文書(8000字ほど)となること、あらかじめお詫び申し上げます。一人の銀行員の挑戦を主に自分のために綴っていこうと思います。その中で受験生の皆様の参考となるものが一つでもあると嬉しいです。

 

     荷物を背負ったキャンプに行く正面を向いた男性のイラスト

それでは行ってみましょう。

 

<目次>

 

①1年目一次試験編

2020年1月

中小企業診断士の取得のきっかけ
銀行員8年目、経営企画部門に配属されたものの、気合いやその場しのぎの対応だけは仕事を思うように進められず、自身の経験・能力に限界を感じる。自己嫌悪に陥り、精神的・肉体的に負荷の高い仕事で擦り切れつつあった。自分に何ができるか?自分は何がやりたいのか?というシンプルな質問に明確に答えられない。なんとかこの状況を打破したいと、幅広い知識習得ができ、取得後の選択肢の多い中小企業診断士の勉強を開始を決心。うずまく葛藤や悩みをひたすら資格勉強という形に昇華させていた感じでした。仕事の下準備・昇格試験勉強等を捨てて、オフの時間は極力資格勉強に充て、最低でも毎日1分以上勉強を続けることを誓うのでした。

 

スタディングの中小企業診断士講座を受講(¥70,983)

【一次試験の勉強記録】

2020年
1/4、スタディング通信講座申込
 ~1/31、企業経営理論パート完了
 ~2/22、財務会計パート完了(←最も苦戦しました)
 ~3/8、運営管理パート完了
 ~3/25、経営情報システムパート完了
 ~4/8、経済学・経済政策パート完了
 ~4/21、経営法務パート完了
 ~4/29、中小企業経営・政策パート完了
 ~5/7、スタディングの1問1答、H30年過去問
 ~5/31、H30年過去問2周目
 ~6/1、サブノート作成を開始。R元年の過去問
 ~6/9、R元年の過去問2周目
 ~6/15、合格戦略動画(←最初に見るべきもの)
 ~6/16、合格模試
 ~6/22、1問1答2周目
 ~6/24、合格模試2周目
 ~7/1、学習マップ暗記

累計学習時間329時間

 

振り返ってみると、スタディングは評判通りに学習マップとオンラインの練習問題を通じて迷子になることなく、合格に必要な知識を最低限付けることが出来たのかなと感じます。ちなみにスタディングでの勉強は毎日続けていたものの、三国志スマホゲームをしながら勉強するなど、飽きさせない工夫を施しながら非効率な行動を挟みながら、黙々と試験勉強を進めている感じでした。

 

2020年7月
2020/7/11・12、中小企業診断士1次試験を受験
少しでも多く科目合格できればいいかなという気持ちで受験。

まさかの合格インフレ年度(42.5%)であったこともあり、1次試験を通過。予期せぬ合格により2次試験対策を開始。さっそく2次試験の過去問を解いてみる。会社で官公庁向けの報告書を作っていたこともあり、ビジネス作文には割りと自信があったが書けない。めっちゃ時間がかかる。1事例で2時間位かかったと思う。そして事例ⅣのNPV・CVPは、なにも書けないレベル(←残念ながらここは今も変わらない)

     お父さんゴリラが驚いている表情のイラスト

②2次試験編(1回目)

2020年8月
初めてのTAC2次試験公開模試
結果、当然のE判定。(事例I:32点、Ⅱ:45点、Ⅲ30点、Ⅳ:16点、計123点)

2020年9月

中小企業診断士twitterを開始。

経営企画部から営業現場(千葉の奥地)への異動が決定。異動直後は会社員にとって特に重要な時期。診断士勉強だけに集中できないと二次試験受験を先延ばしできる権利※を行使することを決意。もし万が一合格してもほとんど知識が定着しないままになるだろうと感じており、ほとんど迷わずに先延ばしを決定。その後、LECの2次直前講座を受講。自分に合った解法を手探りしていく。

〇LECの2次直前講座(¥40,000くらい)

第1次試験合格者の第2次試験を受験できる期間の延長措置と第1次試験の科目合格者の免除期間の延長措置にかかる手続きについて

 

2020年10月
2次試験をスキップ。2021年、2022年の2次試験資格を得る

 

2020年12月
2次試験合否で悲喜交交なタイムライン。2次試験の厳しさに触れる。
2次試験対策を『TBC受験研究会』と『ほらっち塾』に決定。

〇TBC2次試験対策講座(¥110,000)
〇ほらっち塾(¥990/月)

 

2021年1月
2次試験対策を本格的に開始。TBCを選択した大きな理由は「Y口先生の迫力」、「コストパフォーマンスの高さ」でした。はじめY口先生の印象は「なんか胡散〇いな、大丈夫かな。。」(←ほんとすみません。あくまで最初の印象です)という感じでしたが、講座の説明会が進むにつれ、事例企業への調査・事例文の研究・受験対策どれも腑に落ちTBCにしようと決意を固めていきました。その後、コロナが本格化するにつれて私も本気度を上げてTBCの2次試験対策の課題をこなしていきます。また、音声読み上げアプリを使用し1時間半(25駅通過)の通勤時間を活用したり、TBCのオンラインスクーリングに参加して他の受験生のレベルに触れたりしていました。

 

【二次試験(1回目)の勉強記録】

2020年
7月:スタディングの2次試験ガイドを使用(←1次試験の教材のクオリティほどではないと感じ別の教材や対策が必要と感じる)、『「まとめシート」流・ゼロから始める2次試験対策』、『財務会計事例Ⅳ2か月で合格レベルになる』
8月:TAC二次試験模試を受験、『全ノウハウ』、『全知識(Ⅲ・Ⅳ)』、令和元年の過去問。
9月:通勤時の暗記学習を開始、『全知識(Ⅰ・Ⅱ)』、『ふぞろい』、LEC「1日で道がひらける駆け込み道場」
10月:『30日完成事例Ⅳ(STEP①~STEP2・⑨)』
11月:『30日完成事例Ⅳ(STEP2・⑩~㉚)』
12月:『30日完成事例Ⅳ(STEP2・㉛~㉞)』、ねとたす二次試験対策動画、ほらっち塾に入会、TBC2次試験対策講座を開始、『30日完成事例Ⅳ_2周目(STEP①~STEP2・④)』

2021年
1月:TBCインプット講義、TBC事例企業徹底分析講義、覚えたい所を音声再生アプリに入力、TBC速習テキスト+動画、TBC事例Ⅳ特訓演習①・②
2月:TBC令和2年度過去問(添削付き)、TBC速習テキスト+動画、『30日完成事例Ⅳ_2周目(STEP2・⑤~⑯)』、TBCオンラインスクーリング(2/27)
3月:『30日完成事例Ⅳ_2周目(STEP2・⑰~㉚)』、TBC実力完成演習①、TBC2次速習テキスト(第3章第1・2節)
4月:TBCオンラインスクーリング(4/3)、TBC2次速習テキスト(第3章第3)、TBC実力完成演習②
5月:5/8TBCスクーリング、ねとたすテキスト暗記、抽象化ブロックシート、TBC2次速習テキスト(第3章第3)、TBC実力完成演習③
6月:TBC実力完成演習④、経営分析まとめ、事例Ⅳまとめ開始、抽象化ブロックシート、優秀答案分析、『30日完成事例Ⅳ_3周目』
7月:TBC新試験委員対策、TBC2次事例Ⅳ特訓演習

※累計勉強時間が1,000時間を超える

8月、『事例Ⅳの全知全ノウ(経営分析・CVP)』、MMC公開模試
※1次試験はコロナ特例を利用している身のため受験せず。
9月、TBC2次試験模試、TBC直前対策講義、『事例Ⅳの全知全ノウ(NPV等)』、TBCオンラインスクーリング(9/25)
10月、『事例Ⅳの全知全ノウ2周目・3周目』、TBC直前対策講義、TBC公開模試、ファイナルペーパー作成、事例Ⅳ重要箇所の振り返り

 

2021年10月
試験に合わせ長期休暇を合わせる男気を出し2次試験に挑むが事例のやり込みの少なさを露呈。焦りながらも事例Ⅰ〜Ⅲまでなんとか書き切る。しかし事例Ⅳは、「問題文長すぎ。こんなんどうやって時間内に処理すればよいのよ、というより何を書けばよいのだ。」と協会への怒りと自分への失意に苛まれる。最悪の80分を過ごす(第一志望の前期試験の数学で頭と筆が止まってしまった記録が頭をよぎる)。事例Ⅳは難しいと聞いており、分かっていたものの実際に体験すると想像以上のものでした。2次試験を終えて、継続してきた資格勉強をストップする。

     リアルな子どもゴリラが寝転がっているイラスト

※連続勉強記録をストップ。

 

※再現答案(2次試験一回目)

※振り返り反省点

 

③2次試験編(2回目)

2022年1月
万が一の合格可能性を期待するも、2次試験敗退。

※採点結果

ちなみに2020年1月よりちょこちょこと妻と中古マンション探しをしてました。年末にいい感じのマンションを見つけ開始とともに内見に行くも同時に現金購入者が現れ購入できず。年始から2次試験敗退&マンション購入失敗と失意のどん底であったため、厄落とし箱根旅行を弾丸企画。

2022年2月
2次試験不合格の原因を考え、リベンジ戦略を立案。
・圧倒的な過去問やり込み不足

 ⇒ふぞろい徹底活用
・知識のアウトプットへの抵抗感をなくすため

 ⇒EBA100字
・事例Ⅳ対策は基本からやり直し

 ⇒TAC事例Ⅳ演習(+30日完成と全知全能)
・独学による情報弱者対策、リアルな繋がり

 ⇒SLC(勉強会+ゼミ)
 〇SLC(¥76,000)

また、32歳の誕生日に1月に買い逃したマンションから、リノベーションするのによい感じの部屋が売り出されたため、即内見・購入申し入れを行い、ようやく無事に成約。この不動産高騰の中、納得できるエリア・価格・築年数・管理状態のマンションを1年以上かけて入手。

 

2022年4月
マンションリノベーション計画が本格化。価格面を考慮してフルリノベーションではないものの、それでも考えなくてはいけないこと、こだわりたいことを一つ一つ進めていく。想定以上に労力がかかっていたと思う。そして、都内の営業店に異動が決定。様々な問題を抱える営業店に責任者として着任。資格勉強は続けるものの、本業に忙殺される。

 

2022年5月
昇格試験(筆記試験)の時期がきた。去年は捨てたが今年はチャンスの高い年であったため、一時的に突貫で昇格試験対策を進める。なんとか筆記試験通過ラインを獲得。

 

2022年7月
1次試験の保険受験のため、1次試験の勉強を約2年ぶりに再開。2次試験の範囲は知識として定着してきている感があったが、暗記科目はことごとく忘れていた。これはなんとか今年に受からねばと痛感した。結果、経済学のみ合格という結果に。

 

2022年8月
1次試験を受験。当日に仕事のコロナ関連の緊急対応があり、試験直前まで電話するという集中が分散する事態となる。まあ、それは言い訳で結果は完全に力不足の敗退。全科目を受験するも合格したのは「経済学」のみの結果となる。8月下旬には新居に引越を行う。色々とバタバタしている間に2次試験の受験申込を失念しておりギリギリで協会に受験資格を確認の上、銀座に書類を取りに行き申込を行う。引っ越しで転居届も出していたものの「受験案内」が届かず全てを台無しにするところでした。その後、仕事の昇格試験(面接)をなんとか乗り切る。

 

2022年9月・10月
2次試験対策に専念。10/30に2回目の2次試験を受験。恒例にはしたくないがここでも長期休暇をぶつけ万全の状態で試験に挑んだ。事例Ⅰ〜Ⅲまでなんとか書き終えた。事例Ⅱついては再びターゲットの所で苦戦してしまったが自分的には及第点。しかし事例Ⅳ、まず平常心で経営分析を処理しよ・・・・・・生産性?なにそれ。噓でしょ。付加価値率とかだよな。付加価値って利益+人件費+減価償却でいいんだっけ?いや、ひっかけか?やばい分からんくなってきた。少なからず加点されそうな売上高原価率、これでどうだ。次は第4問の知識問題をやるぞ!・・・お?なんだこれはマネジメント?よく分からないぞ。第2問、セールスミックスか、よしやるか・・・あれ?頭に負荷がかかり過ぎてクラクラしてきたぞ。やばい意識が飛びそうだ。焦りと疲れで極限状態。飲み物を飲んで落ち着こうとするも終始焦り続ける。

※事例Ⅳ苦戦

※再現答案

 

【二次試験(2回目)の勉強記録】

・勉強会
・ふぞろい:取り組んだ事例(35事例)←少なかった。。
・TAC事例Ⅳ特訓、問題集
・SLCゼミ
・模試(数回)
・EBA100字訓練(平均して2日に1回ずつくらい)
・音声教材

※取り組み事例の振り返り

 

④2次試験後のモラトリアム期

2022年11月

各種再現答案サービスに申込

2022年12月
EBA、SLCの採点返却。
おー!!意外と悪くない評価だな。合格可能性65%くらいか!と期待。

※採点サービスの結果

 

その後は、

ぎりぎり行けそうだよなという期待

→悩んでもしょうがないか

→今後のことを考えよう
→いや、でもそもそも落ちていたら意味ないやん

→なんであの与件のワードに気づけなかったのか
→深刻な精神的ダメージを負う

→(寝て起きると)もしかしたら行けてるかもと期待
→悩んでいてもしょうがないか

→今後・・・

このループを永遠と繰り返す。

     

2023年1月
2次試験敗退決定。
妻が1月からイギリスに約3か月ほど留学に行く。本当は自分は口述試験・実務補習とかでてんやわんやしている計画だったのに。途方に暮れる←今ここ

     

※二次試験結果

 

⑤これまでを振り返って

2回目の2次筆記試験では、振り返ると資格勉強と同時並行で進めていたことが案外多かった。異動に伴う業務対応、中古マンション探し、リノベーションのデザイン設計、新生活準備、昇格試験、妻の留学準備フォロー等々。

資格勉強の時間を極力確保していたとはいえ、資格勉強一本で取り組んでこられた方とは差が出てしまったようです。なにかを並行してやること全てが悪いとは思わないですが、何をやって何を捨てるかのその選択がとても大事だと感じています。

 

そして、令和5年度の方針としては、

「資格勉強も人生も楽しんで本気でやる」にしたいと思います。

 

正直、記述試験であり採点者も人である以上、とことんやった人でも落ちる可能性のある資格。必ず合格できる能力の境地なんてあるのかと疑問に思う。受験校の採点サービスがブレてることからもどこかのメソッドで到達できるものではなく、恐らく上位3%くらい天才または努力の境地。 

自分はどうだろう。天才か?地方の国立大学出身で、常に知識の更新が求められる金融業界に勤務。去年から役職もついた。でもとてもじゃないけど天才にはかすりもしない。「人外な努力」、これも共働きの家庭で本業も比較的忙しいことに加え、ムチャが重なると早めに自律神経が破壊されていく自分に到達できるものでもない。

たぶん、残りの15%の合格枠を多くの社会人が(レベルの高い)どんぐりの背比べをしているのだと思っている。

人生のペース、資格取得の目的は人それぞれ。資格勉強に全てを費やすことは素晴らしいと思う。でも残念ながら力及ばずとなったときの失うものも大きい。資格勉強によって本業のミッションを諦めたり・成果が出せなかったり、家庭が上手く行かなかったり、友人と疎遠になってしまったりは本末転倒。

重要なのは、人生のタスクに本気で向き合い、それを楽しみつつ、最大限に、効率的に、生産性高く(←今年は好きになる)、試験対策をすることだと。・・・なんかアドラーみたいなワード入れちゃった。

でも、そういった考えもよいのではないかな。

 

   甘いよ、だから落ちるんだよ

まあ、結果が不合格だったら仰る通りでぐうの音も出ませんよ。でも診断士試験の採点が割りとブラックボックスである以上、模範解答に寄せる努力を最大限にしつつ、長期戦を覚悟した持続可能な戦い方がベストだと自分の中で結論が出ました。

これまでの自分の資格勉強は、劣等感が主なやる気の源泉だった。経営企画部門時代に基本的な知識の少なさを痛感したこと、頭の処理スピードが追いつかない、処理容量が足りない経験をしたことが、資格勉強のやる気に繋がっていた。資格によって得る知識と自信+実務の経験値でレベルを上げようと。

今後の2次試験は、試験対策面では去年足りなかった①本番想定の事例Ⅳ対策、②過去問+優秀答案分析を中心にやりますそれに加えて自分の専門領域を見定めつつ将来やりたいことを思い描きながら勉強していこうと思います

中小企業診断士は「各専門分野と経営者の橋渡し役」ができることが魅力だと思っているけど、それでもどの分野でやっていくかという専門性は大事だと思う。


でも、まずはなにより1次試験に合格しないと。(⁠´⁠;⁠ω⁠;⁠`⁠)

ここで振り返りができたことで、かなり前向きな気持ちになってきました。もはや既に焦る気持ちが出てきている。まずは勉強する習慣を取り戻していこう!

 

ここまでだらだらな長文を読んでくださって方に幸運が訪れますように。

どうもありがとうございました!!!

 

ヒカリ